2013年01月15日

細菌学各論2


抗酸菌を二種類に分けると?

定型抗酸菌(結核菌とらい菌)と非定型抗酸菌に分けられる。


抗酸菌の特徴および、何染色法が用いられるか?

グラム陰性、偏性好気性菌、Ziehl-Neelsen染色法
細胞性免疫が主、脂質を細胞壁に多く含む。


ツベルクリン反応とは?

以前はツベルクリン(結核菌から抽出したリポ蛋白)、現在はPPD(purified protein derivatives)を用い、皮内に注射する。48-72時間後に発赤や硬結を観察する。免疫がある場合は、T細胞が活性化しサイトカインを放出し、マクロファージが遊走し、W型アレルギー反応(遅延型アレルギー)が起こる。
硬結の大きさが0-0.5cmを陰性、0.5-1.5cmを陽性、1.5cm以上を強陽性とする。


BCGとは?

ウシ型結核菌より得た弱毒化した菌。


人に病気を起こす偏性嫌気性菌にはどんな属があるか?

クロストリジウム属(破傷風菌、ボツリヌス菌、ガス壊疽菌)、芽胞は偏在し菌体より大きい。


破傷風菌の病原物質は? 作用は? 使用するワクチンは?

破傷風神経毒(テタノスパスミン)
アセチルコリンの放出を抑制し、抑制性介在物質の放出をブロックすることにより、後シナプス性脊髄ニューロンの反射が高まり、反射の亢進が起こる。全身性痙攣も発生する。呼吸筋の麻痺から死亡にいたる例もある。
三種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳)を使用する。


ガス壊疽菌(ウェルシュ菌など)の病原物質とは?

α毒素、プロテアーゼ、DNase、RNase、ヒアルロニダーゼ
β毒素(組織壊死に関連)
ウェルシュ菌はエンテロトキシンも放出する。


ガス壊疽菌による疾患は?

ガス壊疽、食中毒、壊死性腸炎


ボツリヌス毒素の特徴。

内毒素で自己融解の際に放出される。神経毒タンパクを含む。

10
膣内の常在菌について。

デーテルライン桿菌:乳酸を産生し、膣内を酸性化する。

11
ジフテリア菌の特徴とは? 同定に何試験を行うか?

桿菌で端が膨らんだクラブ状である。
細胞質内にアニリン色素で染まる異染小体がある。外毒素(ジフテリア毒素)を産生する。
Schick試験:ジフテリア毒素を皮内に少量注射する。

12
炭疽菌による疾患にどのようなものがあるか?

皮膚炭疽、肺炭疽、腸炭疽、敗血症、急性出血性脳膜炎

13
ペスト菌による疾患を3種述べよ。

腺ペスト(リンパ節の腫脹)、肺ペスト(死亡率高い)、敗血症型ペスト cf.ネズミノミを介して伝染

14
ブルセラ菌による疾患にどのようなものがあるか?

波状熱(長さが数日の発熱を繰り返す)

15
放線菌の特徴、増殖方式、抗生物質は?集落の特徴は?

真菌と細菌の間で、細菌と良く似る。原核細胞型微生物。二等分裂法、断裂増殖。
抗生物質に感受性がある。病巣や膿汁中に硫黄顆粒(小さくて黄色い硫黄のような顆粒)がある。
fistulaを起こす。

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2013年01月14日

細菌学各論1


連鎖球菌の抗原を二つ挙げよ。

C多糖抗原、M蛋白


連鎖球菌を3種類に分けて、説明せよ。

α型溶血 緑色連鎖球菌   緑色溶血環 
β型溶血 溶血性連鎖球菌  透明溶血環 Streptococcus pyogenes(発赤毒素で猩紅熱、Dick試験)
γ型溶血 非溶血性連鎖球菌 溶血なし  S.mutans、S.mitis、S.salivariuなど。(亜急性心内膜炎)


S.pyogenesの病原物質を述べよ。

@ストレプトリジンO(溶血毒O):抗ストレプトリジンO抗体(ASLO)で感染の有無を調べる。
A発赤毒:猩紅熱の原因
B線維素融解酵素(ストレプトキナーゼ):フィブリンを分解
Cストレプトドルナーゼ:DNA分解酵素


S.pyogenesによる疾患を3つ挙げよ。

化膿性炎症(扁桃腺炎、中耳炎)、猩紅熱、アレルギー疾患(リウマチ熱、急性糸球体腎炎)


肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の毒力因子と疾患を挙げよ。

莢膜、大葉性肺炎


グラム陰性球菌を二つ挙げよ。特徴も述べよ。

淋菌と髄膜炎菌:好気性で培養としてチョコレート寒天培地を使う。


病原大腸菌を5種類挙げよ。

腸管毒素産生性大腸菌、腸管組織侵入性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生)、腸管凝集付着性大腸菌


シゲラ属、志賀菌の病原物質を挙げよ。

@侵襲力(線毛で付着)
A内毒素
B外毒素(ベロ毒素):タンパク質合成障害、Vero細胞の致死作用がある。


三大食中毒を挙げよ。

サルモネラ食中毒、ブドウ球菌食中毒、腸炎ビブリオ食中毒

10
サルモネラ菌による疾患と原因菌を述べよ。

腸熱症:チフス菌、パラチフス菌
胃腸炎:ネズミチフス菌、ブラコレラ菌
敗血症:ブタコレラ菌
無症状キャリア

11
ヴィダール試験とは?

腸チフス、パラチフスの血清学的診断法。O抗原、H抗原に対する凝集試験。
ホルマリンで不活化した菌液と患者血清を混合して判定する。

12
サルモネラ菌の微生物学検査について(部位)。

1週:血液、1−3週:骨髄液、2週以降:糞便と尿

13
サルモネラ菌の増殖の過程を述べよ。

第一次菌血症:腸管リンパ節で増殖したサルモネラ菌が血中に入る。その後肝臓へ。
第二次菌血症:肝臓で増殖した菌が再び血中に入る。全身感染となる。
2週目でバラ疹となる。胆汁を通して、菌が小腸に排出される。尿中にも見られる。
一次保菌者:胆嚢に菌が存在し、腸管に排出され続ける。

14
ビブリオ科にどんな菌があるか? 特徴は?

コレラ菌:コレラトキシンでcAMP合成が促進され、水と電解質分泌が亢進。米のとぎ汁様下痢になる。
腸炎ビブリオ:好塩性で2,3%のNaCl培地でよく増殖する。

15
ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)について述べよ。

グラム陰性桿菌で慢性胃炎や胃癌と関連。ウレアーゼで尿素をアンモニアに変換し胃酸を中和。
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ウィルスの総論


ウィルスの基本的な特徴とは?

@体積が小さい A構造が簡単 B生きた細胞内で寄生 CDNAかRNAのどちらかを一方を持つ 
D抗生物質に敏感ではなく、インターフェロンに敏感である。


ウィルスの細胞内増殖の指標とは?

@細胞病変(細胞変性効果) A血球吸着現象 Bウィルス干渉現象 C代謝の変化


ウィルス蛋白質の機能を述べよ。

@感染に関与 A核酸を保護 B抗原性がある Cウィルスの酵素を構成する


ウィルスの複製周期を述べよ。

@吸着 A侵入 B脱殻(脱外被) C素材合成 D集合と放出


写真.JPG
@からDは?

@核酸(コア) Aカプシド Bヌクレオカプシド Cエンベロープ Dスパイク


ウィルスの持続感染には何があるか?

@潜伏感染 A慢性感染 B遅延性ウィルス感染 CSSPE(亜急性硬化性全脳炎←麻疹ウィルスから)


頓挫感染(abortive infection)とは?

ウィルスが宿主細胞に侵入後、宿主細胞がウィルスの増殖に必要な酵素、エネルギーを供給できない場合、ウィルスは自分自身を合成できなくなるか、合成できたとしても、集合、放出ができない状態。


欠陥ウィルスとは?

ウィルスゲノムが不完全か、遺伝子の突然変異により、正常に増殖できないウィルスのこと。


補助ウィルスとは?

欠陥ウィルスと一緒に培養した場合、欠陥ウィルスに必要な物質を供給し、正常に増殖させる効果のあるウィルスのこと。

10
干渉現象とは?

二種類のウィルスが同じ細胞に感染する場合、一種のウィルスが他のウィルスの増殖を抑制する現象。インターフェロン産生による。

11
インターフェロン(IFN)とは? インターフェロンにはどんな作用があるか?

細胞がウィルスに感染することにより、産生するタンパク質をインターフェロンと言う。細胞膜のインターフェロンレセプターと結合すると、抗ウィルス状態となり、他のウィルスの吸着を防ぐ。
インターフェロンには、抗ウィルス作用、抗腫瘍作用(細胞増殖抑制、NK活性増強、マクロファージ活性化作用)がある。

12
インターフェロン(IFN)の抗ウィルス作用にはどんな機序があるか?

IFNがIFNレセプターに結合すると、エンドヌクレアーゼが活性化され、ウィルスmRNAを分解する。ウィルスペプチド鎖合成開始の阻止。

13
不活化ウィルスとは?

感染性がなくなったウィルスのこと。ただし、他の活性(RBC凝集、細胞融合、抗原性)はある。

14
ウィルス保存温度と不活化条件は?

保存温度  -70℃、-196℃
不活化条件 55-60℃で30分

15
サブウィルスとは?

250-400くらいのヌクレオチドからなる単鎖環状RNAで、タンパク質を含まない伝染性因子。主に、植物の疾患を起こす。ウィロイド(viroid)やウィルソイド(virusoid)がある。

posted by 我輩は細菌 at 10:02| ウィルス学総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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